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はじめに
主イエスは湖のほとりで、群衆に向かって「種を蒔く人のたとえ」を語られました。この話は、冒頭の3節「よく聞きなさい」という呼びかけで始まり、結びの9節「聞く耳のある者は聞きなさい」という言葉で閉じられています。最初と最後に強調されているのは、私たちがどう行動するかよりも、まず「聞く」ということです。しかし、私たちはこの言葉を聞くと不安になります。「自分には神様の言葉を聞き分ける立派な耳があるだろうか」「良い土地のように、素直に聞いて実行できているだろうか」と。自分の心を振り返れば、むしろ御言葉を弾き返す道端や、世の思いわずらいに耳をふさがれた茨のような現実があるからです。
本論
主イエスは、なぜ「よく聞きなさい」と言われたのでしょうか。それは「お前たちは良い土地になってから聞きに来い」という命令ではありません。「よく聞きなさい。見よ、種を蒔く人が出て行った」と続くように、この常識外れな農夫の姿に注目せよ、ということなのです。普通の農夫なら、道端や石地、茨の中に種を蒔いたりはしません。無駄だからです。しかし、主が語るこの農夫は、実を結びそうにない場所にも、構わずに種を蒔き続けます。「よく聞きなさい」という主の言葉は、この驚くべき恵みの事実に耳を傾けよという招きです。「あなたが道端のようにかたくなでも、茨のように不安に満ちていても、わたしはあなたを見捨てず、そこに命の言葉を蒔き続けている。そのわたしの愛を聞きなさい」と語っておられるのです。私たちは本来、神の言葉を聞く力も資格もない、耳のふさがれた者たちです。しかし、そんな私たちに向かって、主は諦めずに「聞く耳のある者は聞きなさい」と語りかけられます。かつて神が「光あれ」と言われた時に光が生じたように、キリストの「聞きなさい」という言葉には、聞く力のない私たちの耳をこじ開け、閉ざされた心に風穴を開けて、御言葉を届かせる創造の力があるのです。
結論
「良い土地」とは、私たちが努力して作り上げる状態のことではありません。自分のかたくなさや弱さを認め、「主よ、聞く耳のない私です。しかし、あなたが語ってくださるなら、聞くことができます」と、主の語りかけに身を委ねる場所。そこにこそ、不思議と御言葉が根付き、実を結ぶ奇跡が起こるのです。今日、主はあなたの現実のただ中に種を蒔き、「聞きなさい」と招いておられます。この圧倒的な恵みの声を、ただ喜びをもって受け入れましょう。
祈り
天の父なる神様。あなたは、御言葉を聞く耳を持たない私たち、道端や茨のような荒れた心を持つ私たちを見捨てず、今もなお種を蒔き続けてくださいます。「よく聞きなさい」という主イエスの声は、私たちを責める声ではなく、閉ざされた心を開く愛の呼びかけであることを感謝いたします。どうか今、あなたの権威ある言葉によって私たちの聖霊の耳を開いてください。私たちが自分の力で聞こうとするのではなく、あなたが語りかけてくださる恵みを信頼し、その御言葉を心に宿すことができますように。私たちに語りかけ、生かしてくださる主イエス・キリストの御名によってお祈りいたします。アーメン。