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説教題目

重荷を分かち合える友

日付

2023-07-02

御言葉

コヘレト4章9~12節

 人を集会に誘って一緒に聖書を学んだり、賛美をしたりするのもひとりで運営しているのはしんどいものだ。たとえ複雑でなくてもひとりだと時間の確保や気力がもたない事があるのでどうしても重荷を分かち合える友が必要となって来る。そこにはもっと大きな理由がある。協力者を得ることは、神が意図しているからだ。
1 協力関係  教会は、キリストを救い主と信じる人々によって構成され、お互いが相互依存の関係にある。パウロは「わたしたちも数は多いが、キリストに結ばれて一つの体を形づくっており、各自は互いに部分なのです」(ロマ12・5)と語った。体のそれぞれの器官が組み合わされ、結び合わされて、成長するようにキリストの体である教会も、信徒同志が結束して迫害にあってもお互いの賜物を用いて仕え合うことを命じた。「あなたがたはそれぞれ、賜物を授かっているのですから、神のさまざまな恵みの善い管理者として、その賜物を生かして互いに仕えなさい」(Ⅰペト4・10)。
 このように神はわたしたちが賜物を互いに仕え合うために与えられている。そして自分だけではできないように、神は設計しておられるということだ。ひとりで管理するのでなく、ともに管理するように神は願っておられる。人は単独で行った方がやりやすいと思う。それが人の性質だ。そこで神はすべての信徒に聖霊を与え、結びつくようにされたのである。しかもすべての信徒に賜物を与えた。誰にでももれなく役立つ賜物を与えたので、誰もが、他から助けてもらうことができる。しかも誰にも弱さがあるがゆえに、助けてもらわなければ何をも達成できないのである。必ず協力関係が必要なのだ。祈りでも礼拝でもみことばの解き明かしでも協力が必要だ。だが信仰を伝えることになると、個人の努力と考えてしまいがちであるが、生活のあらゆる面でお互いの支えが必要であるように、キリスト者でない人のために信仰を伝えるにあってもチームプレイで協力して働くことが望まれる。
2 チームで目標をめざす  チームとは、共通の目標を達成するために、同じ価値観をもって集う人たちによって構成される。それゆえにチームメンバーはそれぞれの強みを発揮し、お互いの弱さを補って目標達成に励む協力関係を築くことが求められる。協力する仲間は、キリスト者ばかりでないので非キリスト者を選択肢に選んでも致し方ない。関心を持ってくれる人であればいっしょに聖書を読むことだってできないわけではない。その人に会場の準備や受付などをお願いする場合もある。よく準備すると取るべきステップが明らかになってくる。リーダーである人がどうしても集会に出られない場合は、信仰のない人でも代わって進行係となってもらってもよい。分からないにしてもお互いに考えて、みことばの意味を味わうことも大事だからだ。
 支え合い、励まし合って、異なった賜物を持つ人材で満たされることである。
 コヘレト4・9、12にこうある、「ひとりよりふたりが良い。共に労苦すれば、その報いは良い。倒れれば、ひとりがその友を助け起こす。・・・ひとりが攻められれば、ふたりでこれに対する。三つよりの糸は切れにくい」。誰かといっしょになそうとすると行動に移る動機づけが与えられる。たとえ良いアイデアがあってもひとりだと実行する前に忘れて、姿を消してしまう。たとえ忘れずにいても邪魔が入って実行できないままのことが多い。そんなわけで協力関係を築くことは計画を実行するための最大の予防策なのだ。ひとりでないので計画したことは、具体化して進んで行く。
インサイダーとして協力する第一歩は、祈るために集まることだ。信仰の無い友のためにも祈り、何をすべきかを祈る。祈っているとアイデアが生まれて来る。それについて祈ると計画が生まれ、行動に移す手順が見えて来るのだ。
3 人材を集める   神はわたしたちをデザインしたが、一人一人には限界がある。時間やエネルギーにも限りがある。忙しい人は週に二時間くらいしか割けないかもしれない。経験や技術面でも限りがある。パソコンが打てる人もいればそうでない人もいる。運転の出来る人もいればそうでない人もいる。このような乗り越えられない立ちはだかる壁をみんなで協力していくと問題が解決していくもの。タッグを組むのである。助け合いながら計画を進めていく。こうして定期的に集まるようになったら驚くことが起こる。さまざまな能力や人材が集まって来る。祈り、調整、連絡、もてなしが必要となって来る。それらを決めるために準備する人が必要になる。みんなが帰った後の片付け、コップや皿を洗う人も必要となってくる。しかし参加者が適宜に自発的に引き受けるようになれば協力体制は出来上がる。いつも部外者(アウトサイダー)の感じを受けると居心地が悪くなりやがて来なくなってしまう。よって途中から参加する人には注意を要する。
 初心的な知識しかないこと、恥ずかしい思いをしないかなど不安を持って参加する人もいる。そこでどうすべきか。グループを作り直すこともよいことだが、まったく違った話題を毎回もつなど、大方の人が知らない話題に変えてみるのもよいことだ。興味は人によって異なるので、違った話題が展開されればインサイダーは増え広がって来る。そして応じて来た人々の興味ある話題ごとにグループを分割すると新たな人も倍加してくる。こうしてみんなが同じスタートラインに立っているという意識が必要なのだ。これは神の国ユニークさでもある。ただ集まるだけでなく、日々の暮らしの中でお互いに目に見えるものとなって来ることだからだ。重荷を分かち合える友がいることは幸いである。

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